常識が非常識に?『クリームでフタ』について考えてみた。
先日、ハウトシールドの生みの親であるマーティンとオンラインmtgをする機会がありました。
肌についての様々な発見を、学術論文としてたくさん発表している皮膚科学者マーティンは、とてもにこやかに深い知識を分かりやすく伝えてくれるのですが、資料に書かれた肌の仕組みや働きは私には想像も及ばない複雑さで、そこにアプローチした科学者の成果に、「そんなことまで分かっているの!?」(そもそも、そんなことまで調べるの??)とか、「そんな複雑な働きに作用するの!?」と改めて驚くことばかりでした。
その「ほぉ〜!!」の中の1つが、この「クリームでフタ」です。
「フタ」をすると、肌の水分が逃げないイメージがあり、美容記事にはよく「化粧水の後は、クリームなどの油分でフタをすることが大事」とか「フタしてうるおいを閉じ込めよう!」と書かれていて、この「クリームのフタ効果」はスキンケアの常識として刷り込まれていることの1つです。
でもその資料には、クリームでフタをされた肌がダメージを受けている様子が、イラスト付きで解説されているではないですか!
「肌に良いこと」ではなかったの!?英語の資料では詳細が分からず、ハウトシールドの製造販売責任者であり科学者に聞くと、「オイリーなクリーム(あるいはバーム等)を塗ると、角質層の過剰な水分が増え、結果として角質層の細胞間脂質(ラメラ)が乱れることになる」とのこと。水分保持は大切、だけど、自然と放出されるべき過剰な水分がラメラ層に無理やり留められることで、ラメラ層がふにゃふにゃとくずれ、本来はビシッと強固に列をなして外敵をシャットアウトし、内側を守る「盾」のような存在である肌バリアが弱まってしまうという、本末転倒な結果もありえるなんて…。
「水分を肌に入れれるだけ入れて、クリームでフタをする」は、科学的根拠はなく、イメージで語り継がれたスキンケア。
水分と油分、どちらも大切だけれど、過多になることで内部環境が乱れ、敏感肌やゆらぎの原因の1つになっているかも知れません。
肌も体も心も、バランス(=EQ)が一番大事、ということで!